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てんちょ
てんちょの!ご入稿のその前に!

 

本日もてんちょブログをご覧いただき、誠にありがとうございます~。
こんにちは!秋の夜長のてんちょです!

皆さんの秋はいかがですか。芸術?読書?食欲?
涼しくなってくると、やりたいことが増えて活発になりますね。(暑いのいやだ・・。)
芸術の秋の皆さんは創作意欲がわきわきされているのでは!
ちょっと活版していきませんか~。

本日は活版印刷データ作成のコツを思いつくままに挙げてまいります。
ご入稿前のお客様、ちょこっとお待ちを!
最終のご確認よろしくで~す。

 

 

線幅のこと

かなり細い文字のデータをよく見かけるのですが、できれば0.25pt以上の線幅で作成していただきたいです。
細い文字って繊細で良いですよね。わかります。
明朝体など、フォントによってはすごく細ーいものもあるので太らせてもらえたらありがたいです!
というのも版を作る際に細い文字が欠けることがあるからなんです。
前に、明朝体の線が一番細くなっている部分がブツッブツッと、
とぎれたような、かすれたようななんとも言えない微妙な刷り上がりを見たことがあるので、これは皆様にお伝えしておかないとと思いました。
せっかく活版をされるので、欠けや線のビビリがあるのはもったいないです!
どうぞよろしくお願いします~。

 

 

ベタ(広範囲の塗り)と細かい絵柄や文字が同じ面にある

なにそれ?って思われましたか。てんちょが絵でご説明しましょう。

まめしば2

このようなデザインの場合、上部のわんちゃんのベタを綺麗に出そうとすると、その他の文字が太ります。
逆に文字を太らせないように印刷をすればベタ部分がかなりかすれてしまうことがあります。

ベタと細い文字が同じ面にあることで、文字を生かせばベタはかすれ、ベタを生かせば文字は太くなります。
ベタと文字の2版に分けて印刷すれば上の問題は解消するので、せっかくなら色を変えてしまってもいいですね。
またはわんちゃんを1/4程度に縮小すれば、上記の問題は少しマシになると思います。

 

 

印刷圧について

ある日、てんちょは画像検索をしていました。「活版印刷 名刺」っと、カタカタ・・ッターーン。
分厚い用紙を気持ちいいほど凹ませている名刺たちがたくさん出てきました。
180kgの薄い紙にあのようにがっつり凹ませて印刷してほしい!とチンパン先輩に伝えたのですが、
「裏バッキバキになるよ」と言われてしまいました。
そうなのです。クッション性がない薄い紙は凹む余地がないので、押せばそれだけ凸が反対面に出てしまいます。

webで見た画像のように同じものを作りたくても、用紙、デザイン(絵柄の面積)、版の仕上がり、
機械・印圧が違えば同じものって出来上がらないのですね。

用紙の厚みだけではなく、デザインによっても凹みは変わってきます。
絵柄の面積が広ければ圧が分散されあまり凹んでくれませんが、
絵柄の面積が狭いとそこだけに力が集中するので、かなりむぎゅっと凹むのです。
もちろん印刷圧の調節は可能ですが、仕上がりの凹み具合はデザインにもかなり左右されるものなのです。

実際に印刷してみないと何とも言えないときもありますが、印圧について、前もってご相談していただけるとありがたいです。

 

 

両面の圧の戻り

絵柄が表裏同じ位置にあるようなデザインの場合、先に印刷する面は、
後から印刷される面の圧によって少し押し戻されます。

まめしば1

こんな感じのデザインのことですね~。
薄い紙の場合は特に押し戻されてしまいます。
特に表と裏の文字の一部でも同じ位置にあれば圧の戻りは発生します。

両面印刷の場合、強調したい面を強めに押すことが多いので、
表か裏、どちらの面を強く凹ませたいか教えていただけたら調整いたします!

 

 

かすれについて

データの塗りの面積&紙の相性でかすれが出やすくなります。
インキを吸いやすい紙があるのです。

てんちょの!活版人気用紙ランキングでもご紹介していますが、かすれ狙いの方には、
「ハーフエア」「クレーンレトラ」「グムンドコットン」「フリッター」等がおすすめです。
かすれをできるだけなくしたい方は、「スノーブル」「アラベール」「GAボード」「鳥の子紙」等が良いかと思います。

 

 

白インキについて

そういえば、「てんちょの!特色、紙色、色々」で白インキの乗り具合について書いてましたね。
あのとき写真を用意できてなかったので、色んな用紙に白インキで刷ってみましたよ。
白インキ
白インキは下地の紙色の影響を受けやすく、透けたような仕上がりになります。
出来るだけ暗い色や濃い色の用紙を選んでいただくと、文字は読みやすくなりますね。

まめしば4
いろいろ書き溜めてたのですが、ここまでです!また思い出したら言いますね。
活版印刷ってどういうことができるのか、デザインや用紙の違いでどんな仕上がりになるのか不安な気持ちになりますよね。
安いお買い物ではないので、ポチられる前に知っていただきたいし、お伝えしたいと思って長々書いてしまいました。
お読みくださりありがとうございます。
その他、お気軽にお問い合わせ下さい!

まめしば5

 

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