芸術の秋です!
てんちょは押入れに眠っていた水彩色鉛筆を引っ張り出してきました!
今年も乗ります芸術の波!
購入から1年経った水彩色鉛筆ですが、いまだ使い方が分からず、試行錯誤です。
決してググらないスタイル。
だけど、あーでもないこーでもないと試すのってちょっと楽しい。
そう、楽しい!
研究ってたのしー。
そこで、てんちょは気になっていた活版印刷のアレを試すことにしたのです。
てんちょの!自由研究!
こちらの写真の印刷方法は何かお分かりになりますか?
オンデマンド?
違うんです。
実はこれ、活版印刷なんです~。
活版印刷の場合、デザインデータ上の「フルカラー写真・グレースケール(K1%~99%)・グラデーション」は製版時にアミ点処理になります。
アミ点の版で印刷を行うとアミ点にインキが詰まってしまうことがあるので、どうしても上記のデータを使うなら低めの線数で製版を行ないます。
ただ、線数が低ければ、目視でもアミ点が確認でき、印刷も安定しないため、ご自身で作成されたデータとの差異が大きくなってしまいます。
結果、こんなはずでは・・!が起こっちゃうわけです。
そんなわけなので、上記のようなデータは印刷できないことはないっちゃないのですが、活版名刺ドットコムのサービスとしてご提供するのは現状、少し難しいですね。
断られてしまうことの多いフルカラーの活版印刷、実際やればどのように仕上がるの??
ダメと言われると気になるものです!
てんちょもあまり見たことが無いので、今回試してみることにしました。
フルカラーのデータを印刷するには版を4色(4版)に分ける必要があります。
皆さまご存知のCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・スミ)です。
印刷物の色はCMYKが各々適量重なり色が作られます。
データを4色(CMYK)に色分解して、色の強い順番「(シアン→マゼンタ→イエロー)→スミ」で印刷すれば、
フルカラー印刷ができるのです。
※活版印刷は通常は色毎にインキを練って特色を作っています。
活版でのフルカラーがどのように印刷されていくのか、工程をのぞいてみましょう!
もちろん印刷は活版名刺ドットコムの印刷工チンパン先輩!
てんちょの自由研究にお付き合いくださる方はどうぞお進みください!
手書きデータを作成
用意したのはこちら、水彩色鉛筆で彩色したイラスト。
解像度は600dpiでスキャンしました。(300~350dpiで十分だと思います。)
たくさん色を使うほうが、仕上がっていく過程がきっと楽しいよね!ということでめちゃカラフルにしています。
チンパン先輩への挑戦状。ハハ!印刷できるかな!
この子は恥ずかしがりやな魔女なので、分版されて、1色ずつ丁寧に印刷されて、少しず~つ姿を現していくのですよ。
分版!
CMYK版に分版してもらいましたが、K版はほぼなかったようです!むむ!
版は170線で製版してもらっています。
※もう少し印刷面積が広いと、線数を抑える必要があると思います。印刷時に目詰まりしちゃうので!
印刷開始
用紙:スノーブル
恥ずかしがり屋のはずが、思ったよりもがっつり姿現しちゃってますけど・・。
ブツブツとアミ点が目立つ部分があります。製版・印刷時調節が難しいところですね。
1色刷ったら一旦乾かして時間をおいて印刷していきます。
1色(C・M・Y・K)
1色ごとに印刷したものです。
濃淡がきれいに出ています。
少し薄めに印刷した方がいいのかなあとかチンパン先輩思案中。フフン!
イエローはいったい何が印刷されているのか判りませんね。
2色(C版+M版とM版+Y版)
C版+Y版はチンパン先輩が印刷するの忘れました。もー!
C版+M版はもうほぼ仕上がってる感じですね。
4色(C版+M版+Y版+K版)
仕上がりました!
ごめんなさい。弱いと思っていたイエローのパワーを認めずにはいられませんね。
上の写真の色の差は印刷初めから終わりにかけて、徐々にインキが薄くなっていくためです。
通常は印刷途中でインキを足すのですが、今回は具合が全く分からないので、初めにインキを乗せたっきりです。
理想?
インキの濃さ的にはこれが一番元絵に近そうです。
比較
版の仕上がり(アミ点の密度)によっても仕上がりが左右されそうです。
線が細く、データ自体も小さいものだったので、やはりつぶれは出ています。
印刷物単体で見れば問題ありませんが、元絵と色を合わせるとなかなかに難しいですね。
もともと4c向きの印刷機ではないので、色の重なりの精度は低いですが、それを味とするならば使い方はあるように思います。
印刷ブレ
ものによっては印刷の際のブレが出ているものもあり、ピントが合っていないようなものも出てきます。
色調整・印刷ズレでのロス、たくさんの予備紙が必要になります。
やはり、仕上がりをイメージにきっちりと合わせるのは至難のわざのようですね。
まだまだ、研究が必要なようですが、フルカラー活版の可能性を少し感じました。
フルカラー活版の味や風合いを活かした商品を考えていければと思います。
今回もてんちょにお付き合いいただきありがとうございました!
ではまた次回~!