いつも大変お世話になっております。
営業部の田中です。
前回、ブログを書いたのが昨年の年末。
そして、今年初のブログを書いておりますが、すでに2018年も半分が過ぎようとしております。
時の流れの早さに慄いております。
これまで、”野村・大友・田中・細川”でブログを更新しておりましたが、今後は”田中・細川、そして新人の山本”の3人で更新をしてまいります。(時々、野村や大友も更新します)
更新頻度が上がることはもちろん、中身をよりパワーアップ!(出来たらいいなぁという希望)なので、お暇なときにチェックしていただけたら幸いです。
さて、今回のブログにつきましては、前半はポジティブなお話、後半は少しネガティブな出来事のお話になります。
少々、長くなるかもしれませんが、ご覧いただければ幸いです。
「活版WEST2018」に参加しました!
昨年に引き続き、「活版WEST」が今年も開催されました!
この「活版WEST」は、関西、中国地方、四国、九州の活版印刷に携わっている人たちが一堂に会する、西日本最大級の活版印刷イベント。
このために用意された活版ワークショップや、普段なかなか目に掛かれないレアな雑貨の販売、と活版マニアなら垂涎必至のイベントで、今回も多数の方々が注目していました。
そんなビッグイベントに昨年に続いて出展のお声がけいただき、山添も参加してまいりましたー!!!
活版WEST前日、出店ブース設営をしている大友D。
テーブルクロスの垂れ具合がなかなか上手くいかず、二人で四苦八苦・・・
他の参加者の方々もブース設営中。
笑いが絶えないすごく和やかなムードで、まるで文化祭の前日のような雰囲気でした(笑)
ちょこっと出店者さんのご紹介
出店されていたすべての参加者さんを撮ろうと息巻いていたのですが、大勢のお客様に足を運んでいただいたため、身動きが取れない状況が続いてしまい、あまり写真を撮れませんでした…
そのため、撮れた写真をもとにダイジェスト的な紹介を。
COFFEE PAPER PRESS さん
珈琲×活版×福祉(デザイン)、それぞれの分野に精通している3者によるユニット。
全国の福祉作業施設に珈琲を振る舞いながら商品を開発、その売り上げで再び施設に美味しい珈琲を届ける活動をされています。
ここの紙雑貨を見るたびに、「センスが良すぎて逆にズルい」と思ってしまうほど大ファンです(笑)
コーヒー豆の出がらしを使って作られた紙は、とても味わいがあり、活版印刷との相性もバツグンでした。
他には、牛乳パックや新聞紙、酒パックを再生して作られた紙なんかも。
なにわ活版印刷所 さん
活版印刷でさまざまなことにチャレンジされている、通称”なに活”さん。
印刷の事はもちろん、活版印刷機を分解して、レストア方法を紹介したりとめちゃくちゃコアな部分まで知り尽くしておられます。
手前の額に入ったポスターも活版で印刷されているのですが、サイズが大きすぎるので、四分割にした版でそれぞれの箇所毎に印刷されたそうです。
非常に難易度の高い印刷にも関わらず、位置合わせが完璧に施されていたのですが、(なに活さんやし、そりゃそうか…)と謎の納得をしてしまいました。
オオウエ さん
和紙の問屋さんであるオオウエさんですが、オリジナル商品がことごとくバズる会社さん。
特にマスキングテープはSNS上で人気が高く、あみだくじテープやモザイクテープなどは、なんと1万を超えるいいねやリツイートがあったそうです。
個人的にこの”綱吉くんと犬シリーズ”がツボに入り、即買いしました。
ここぞというタイミングに使おうと思って買ったのですが、そのタイミングが10分くらい考えても思いつかなかったので、だれかアドバイスください(笑)
河童堂 さん
カエルとネコの可愛らしいイラストが非常に人気で、独特な世界観を持っておられる河童堂さん。
活版印刷では、ハイデルベルグなどの自動活版印刷機を用いて印刷をすることが主流なので、1枚1枚の仕上がりに大きな違いが出ることはそんなにありません。
しかし、河童堂さんの商品は、全て手動の活版印刷機(テキン)で印刷されています。
そのため、カスレ、にじみ、ズレ、凹凸感など一枚一枚の表情が異なり、それがイラストの可愛さをさらに引き立てています。
日高印刷 さん
活版WEST前日の設営作業をしている時から、同業者の私たちから一番注目を浴びていた日高印刷さん。
というのも、販売しておられる商品が、
”文字組みの時に使うジャッキ”
”文選箱(拾った活字を簡易的に並べる箱)”
”ハイデルベルグ社の活版印刷機を購入した際にもらえるオリジナルのインキ(非売品)”
などなど、活版好きならのどから手が出るほど魅力的なものばかりで、しかも激安。(ほとんどの商品が1000円未満)
設営中のみなさんがその手を止めてまで日高印刷さんのブースに集まり、
「これめっちゃレアもんやん!」「これキープしていい!?」「安すぎひん!?」
と、市場の競りのような状態になってました(笑)
※一般のお客様が商品を見る前に売り切れる、という事態を避けるため、この時点では誰も購入しておりません
啓文社印刷工業 さん
以前から何度もイベントでご一緒している、活版のワークショップで人気の啓文社さん。
その人気の高さから、全国各地の雑貨屋さんや百貨店からたびたびオファーがあるそうで、
「次はドイツに行くんですよ~」と社長の安達さんがおっしゃってました。
フットワーク軽すぎてビビる。
活版WEST2018の所感
今年は天気にも恵まれ、多数のお客様が足を運んでくださったおかげで、二日間の来場数がなんと1500人だとか!
SNS上でも、「楽しかった」「こんなにたくさん買っちゃった」「次回も絶対行く!」と嬉しい反応ばかりでした。
活版印刷のプロである私たちですら、たびたびホスト側であることを忘れるほど、このイベントを純粋に楽しんでました(笑)
もちろん楽しんだだけでなく、
個性的な商品の数々、ユニークなワークショップ、活版印刷との向き合い方、つくり上げられた世界観。
当たり前のことですが、”生み出す人・場所”によってアプローチの方法がこんなに異なるんだ、とあらためて実感。
11月に台湾で開催されるPOP UP ASIAに向けて、山添の”カラー”をより強く出すにはどうすればいいかを考える良い機会となりました。
出展者のみなさん、ご来場くださったみなさま、ありがとうございました!!
~~とポジティブ全開で締めくくりたかったのですが・・・
活版WESTの翌日
6月18日(月)に大阪府内で最大震度6強の大きな地震が発生。
この地震により、多くの会社さんや人々に多大な影響がありました。
山添においても、創業時から使い続けている大事な活字が崩れ落ち、こんな状態に。
少なく見積もっても、40万文字以上の活字が落ちて入り交じっている状態です。
阪神淡路大震災の時も活字が同じように棚から落ちてしまったものの、半年かけて復旧することが出来たと聞いていたので、今回も頑張れば復旧できるのだろうと考えておりました。
しかし、野村いわく、阪神淡路大震災の時よりもひどい状態になっているとのこと。
「これを直すのはさすがに無理やな…」と力なくつぶやく野村の姿をみて、自分が甘い考えだったことを痛感しました。
昨今の活版印刷は、マグネシウムや樹脂版を使用することがほとんどなので、活字自体はめったに使うことがありません。
そのため、業務自体に支障が出ることはありませんが、”先代の社長から引き継がれてきた活字”なので、自分の中でお守りのような感覚があったんです。
それがほとんど崩れてしまった。
活版WESTを経て、(弊社にある活字を使った商品も増やしていこう!)と、意気込んでいた矢先の出来事。
まさか翌日に活字が崩れることになるとは夢にも思いませんでした。
――ただ、地面におちている無数の活字の中から、何気なく一つ拾ってみたんです。
それがたまたまこの字で。
(なんかドラマみたい・・・!!)
と鳥肌がたちました(笑)
何万文字もある活字の中から、拾った「夢」。
拾ったのは偶然ではなく、必然なんじゃないかと。
まるで先代の社長が落ち込んでいる私たちにエールを送ってくれたような気がします。
先代に「ようやった」と喜んでもらえるように、頑張らなければ!
人生凹みがあれば、凸もある。(活版だけに)
といった感じで前向きに進んでいく所存ですので、今後とも山添をよろしくお願いいたします!!
ちなみに今回落ちた活字は、処分せずになにか別の使い道をしようと考えています。
どんな使い方をするかは未だ決まっておりませんが、アイディアなどを頂ければ嬉しいです!