ITEM | 名刺 |
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SIZE | W:54×H:87mm |
空押し | |
PAPER | トーンF CG1〜CG8 90k |
PROCESSING | 箔押し <黒> / 8枚合紙 |
DESIGN | HISAMICHI KASAI |
とにかくこだわりのある名刺にしたい、普通ではないような名刺を作りたい、とご相談をいただきました。
ご要望としては
<表>
黒い紙に白の多色(8色)で活版印刷をする。白インクの濃度を調整して白→黒のトーンを再現する。
さらに各色ごとに印刷圧を調整して階段のような形状にしたい。 白い色に近づくほど凹むイメージ。
階段とわからなくても、なんとなく手触りで階段のようにしたい。
<裏>
白い紙に 活版スミ1色
→最終的に<表>と<裏>の紙を合紙をして完成
といった内容でした。
ですが、限られた紙厚の中で0.1mm刻みの印刷圧の変化をつけるのは不可能に近い。
希望されているイメージを別の方法で実現できないか打ち合わせを重ねながらどういった方法があるかを検討しました。
一つの方法として、オフセット印刷をした後に版で8段階の階調をつけてみては、となり
製版会社へ相談したもののうまく表現できるかは版を作成して最後まで試してみないと分からない、との返答でした。
最後の工程まで進まなければ分からない上にコストもかかってしまうため、現実的ではないので断念。
果たしてどうすれば実現できるのか、、、と考察を重ねる中
グレーの階調が豊富に揃っている紙、『トーンF』を利用し
薄い色から順番に8色の紙を合紙すれば可能ではないか、と行き着き提案させていただきました。
結果、トーンFの階調と合紙を利用することでご要望の
「8段階のグラデーション」と「階段状の手触り」を表現することができました。
表面の空押しは紙に亀裂が入らないように細かく調整をしつつ、文字がしっかりと見えるように圧をかけました。
紙の特徴と合紙を活かした、こだわりのある普通ではないような名刺に仕上がりました。