文字が美しく引き立つ活版印刷

「見岳レイ設計室」様から名刺のご依頼。
オーダーはシンプルで洗練されたお名刺をご希望でした。

お打ち合わせの際にまず最初にピンときたのは、お名前が美しいということ。
その時からお名前を魅せるデザインにしようと考えていました。
次に意識したのは使う方の雰囲気と女性らしさが感じられるデザインにすること。

まずは書体選び。女性らしさを演出するため明朝体の中でも「はらい」「はね」「うろこ」が
丸みを帯びて優しい印象を受ける書体を選択。
そこから若干の長体をかけることで、スタイリッシュな印象に。
レイアウトは、お名前が引き立つように余白を十二分に確保、
住所・連絡先等の情報は下段部分で極力四角くレイアウト。
イメージはお客様の設計というお仕事を意識し、
名刺をひとつの空間に見立て、文字の収まりが美しくなること、
そして名前を左上に配置することで、詳細情報にスムーズに流れるような視線動線も意識しました。

〈印刷色と紙〉

文字色は最初、グレーを想定していたが、
どうしても無機質で寂しげな印象になってしまうので別の色を検討。
そこで、お客様とのお打ち合わせの際の印象を元に再考しなおし、
クールな印象でありながらも温かみを感じられる「オリーブ」を選択。
印刷色に合わせ、紙も手触りが柔らかで優しい印象の「ハーフエア／ヘンプ」を使用しました。
紙自体に黄味がかっているので、印刷色のオリーブがイメージ通りに再現するのが難しく、
何度も印刷工と色の確認をしながら理想の色に仕上げました。